19世紀前半の作家エドガー・アラン・ポーは、紀元前二世紀のシリア王アンティオコス四世エピファネスを題材にした、「エピマネス(狂人)」という作品を書いたが、その冒頭には「アンティオコス・エピファネスは、一般的に預言者エゼキエルのいうところのゴグと見なされている」などと記されている。
(注)別エントリー「試論:エゼキエル戦争を140文字以内で」も参照のこと。
http://josephology.me/app-def/S-102/wordpress/archives/4921
【追記】
エゼキエル書38章には「マゴグのゴグ」預言があり、13節「タルシシュの商人」に関して古代のギリシア語聖書は「タルシシュ」を「カルタゴ」と解釈したが、商業国カルタゴは紀元前146年には既に滅亡しており、従って「マゴグのゴグ」預言はカルタゴ滅亡以前の時期に実現していなければならない。
(注)別エントリー「予備的考察:いわゆる『エゼキエル戦争』【再投稿】」も参照のこと。
http://josephology.me/app-def/S-102/wordpress/archives/15520
バビロン捕囚からの帰還と主イエス・キリストの御降誕との間の約五百年で、アンティオコス四世エピファネスによる迫害ほどイスラエル人にとって苛酷な惨劇はなかった。エゼキエル書38章で預言されている危機的状況をマカバイ記の時代の惨劇とは全く無関係と捉えるのは、やはり解釈として無理がある。
(注)別エントリー「旧約聖書の預言書を研究する際の基本原則」も参照のこと。
http://josephology.me/app-def/S-102/wordpress/archives/3859
旧約聖書の「メシェク」はアッシリアでは「ムシュキ」と呼ばれ、アッシリアの記録に「ムシュキの王ミタ」とある人物は古代ギリシア側の「フリギアの王ミダス」に対応する。マカバイ記二5章22節ではフリギア出身の人物がアンティオコス・エピファネスに任命され、エルサレムで暴虐の限りを尽くした。
マカバイ記二5章24節以下には、同じくアンティオコス・エピファネスに任命された「ムシア人」が、大軍を率いてエルサレムに現われ大量虐殺を行なったことが、書かれている。このムシアは、ミュシア・ミシアとも表記されるアナトリア西部の地方で、かつては最盛期のムシュキの領土の西端に該当した。