申命記25章には跡取りを産む前に夫に先立たれた女性に、家名を存続させる目的で亡夫の「兄弟(親族の男性全般)」との再婚を求める規定がある。しかしマタイ14章のヘロデは兄弟フィリポが存命中なのに、その妻と親密になり兄弟から妻を奪い取った。この件で洗礼者ヨハネはヘロデを厳しく叱責した。
(注)別エントリー「試論:『洗礼者ヨハネの死』を140文字以内で」も参照のこと。
http://josephology.me/app-def/S-102/wordpress/archives/14207
【追記】
兄弟に妻を奪われたフィリポは、ヘロデ大王の息子たちの中ではへりくだりを知る常識人だった。ただ、癖の強い猛々しい悪人が揃うヘロデ王家の中にあっては、フィリポのこの態度は物足りなくも弱々しい「お人好し」として周囲に映ったようで、そこに付け込んだ妻と兄弟によって小馬鹿にされてしまった。