主はルカ11章50節以下で「今の時代は責任を問われる」と仰せになったが「時代」(ギリシア語本文でゲネア)と同じ語で、ギリシア語詩編94(95)編10節ではゲネアを四十年とする。ヘブライ3章9節以下は同じ詩編を引用し心の準備を促す。既に主の予告から三十年以上が過ぎていたからである。
(注)別エントリー「『ヘブライ人への手紙』が書かれた理由」も参照のこと。
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(注)別エントリー「戦争と飢餓:ある意味で実戦よりも残酷な」も参照のこと。
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【追記】
マタイ23章36節で主は、「これらのことの結果はすべて、今の時代の者たちに降りかかる」と仰せになったが、この箇所の「時代」に当たる原文の単語「ゲネア」は古代のギリシア語エレミヤ7章29節「主を怒らせたこの世代を、主は退け、見捨てられた」の「世代」にも用いられ、内容も対応している。
ルカ21章32節で主は「全てのことが起こるまではこの時代は決して滅びない」と仰せになったが、「時代」に当たる原文の単語ゲネアは古代のギリシア語詩編94(95)編10節の「世代」にも用いられ、詩編のこの節ではゲネアを四十年とする。実際この主の仰せからおおよそ四十年後に都は滅亡した。
主はルカ21章20節以下において、エルサレムが敵に包囲された際は都に籠城してはならず都を離れるようにと予告されていた。三十数年後ヘブライ13章13節は「宿営(陣営)」という言葉で都を示し、そこを離れるよう促した。黙示録18章4節も都を「彼女」と呼び、残っていた人々に退去を促した。
(注)別エントリー「試論;黙示録の『第八の者』を140文字以内で」も参照のこと。
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(注)別エントリー「試論;黙示録18章を140文字以内で」も参照のこと。
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(注)別エントリー「試論:黙示録16章を140文字以内で」も参照のこと。
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(注)別エントリー「試論;黙示録17章『十本の角』を140文字以内で」も参照のこと。
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(注)別エントリー「エルサレムがバビロンと呼ばれた理由」も参照のこと。
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(注)別エントリー「ダニエル書9章の『七十週』預言」も参照のこと。
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主はルカ17章で「一人は連れて行かれ、他の一人は残される」と繰り返され、21章24節では連行の状況を御説明された。ユダヤの歴史家ヨセフスは、紀元七〇年の滅亡の際にローマ市民権を持たぬユダヤ人投降者は妻子ごと奴隷とされ売り飛ばされたがローマ市民のユダヤ人は放免されたことを記述した。
ルカ17章34節から35節で主は「一人は連れて行かれ、他の一人は残される」と繰り返されたが、では一体どこに「連れて行かれ」るのかを、ルカ21章24節では「捕虜となってあらゆる国に連れて行かれる」と御説明された。これは大昔モーセがレビ記26章33節以下で預言していた話と同じである。
主はマタイ24章10節と12節で、人心の荒廃が神殿の滅亡に先立つことを予告された。一方で一世紀ユダヤの歴史家ヨセフスは、紀元七〇年のエルサレム滅亡以前に暗殺や強盗殺人がユダヤの各地で頻発し、加害者が相手をローマの手先呼ばわりして自分たちの悪事を正当化していた事実を著作に記述した。
(注)別エントリー「『荒廃をもたらす憎むべきもの』とは何か」も参照のこと。
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(注)別エントリー「試論:ガリラヤのユダを140文字以内で」も参照のこと。
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(注)別エントリー「試論:古代ユダヤの社会不安を140文字以内で」も参照のこと。
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