試論:ダビデ王家とガリラヤを140文字以内で

古代のユダヤ人は王位に相応しいのはダビデの子孫と考えていた(サムエル下7章)。しかし紀元前二世紀に、ユダヤ独立の英雄ユダ・マカバイの一族(祭司族出身)が王位に即くようになると、ダビデの子孫の立場は微妙になりユダヤ人がガリラヤを征服した後、ある人々はガリラヤへと移住する道を選んだ。

(注)別エントリー「福音書の時代におけるガリラヤ」も参照のこと。
http://josephology.me/app-def/S-102/wordpress/archives/2354

【追記】

預言者イザヤの時代にサマリアが陥落後、アッシリアがガリラヤを占領し、住民は東方に連行され代わりに異邦人が住み着いた。六百年以上後(主の御降誕の約百年前)にユダ・マカバイの一族がガリラヤを征服した後、多数のユダヤ人がガリラヤに入植して異邦人の影響は一掃され主イエスの到来へと至った。

(注)別エントリー「主イエス・キリストがインマヌエルである理由」も参照のこと。
http://josephology.me/app-def/S-102/wordpress/archives/1338

主イエスはルカ20章44節で「ダビデが〔詩編の中で〕メシアを主と呼んだのに、なぜメシアがダビデの子(子孫)なのか」と問われた。大昔、ダビデの子孫から王権が離れることはないと預言された(サムエル下7章16節)ため、古代のユダヤ人は当然メシアもダビデの子孫の中から出るものと想定した。

(注)別エントリー「試論:『エリコのバルティマイ』を140文字以内で」も参照のこと。
http://josephology.me/app-def/S-102/wordpress/archives/12148

(注)別エントリー「聖書にはクリスマスの日付が載っていますか???」も参照のこと。
http://josephology.me/app-def/S-102/wordpress/archives/13267

ヘロデ家(ユダヤ教に改宗したイドマヤ人)はハスモン家(元来は祭司族出身)から王位を奪ったが、両家ともダビデの子孫ではなく、ミカ書のメシアの条件とは違った。ヘロデ王やエルサレムの人々の不安は、東方の博士たちの言葉の意味を王位争いの新たな火種としか理解できなかったことに由来していた。

(注)別エントリー「試論:『なぜダビデの子なのか』を140文字以内で」も参照のこと。
http://josephology.me/app-def/S-102/wordpress/archives/13127

(注)別エントリー「ダニエル書7章:地上に興る第四の王国」も参照のこと。
http://josephology.me/app-def/S-102/wordpress/archives/4631

マタイ2章で星に導かれユダヤで誕生した王を訪問に来た、「占星術の学者たち」を意味する本文のギリシア語は、古代のギリシア語訳ダニエル書では、バビロンの「宮廷の知者たち」を構成する一群を指し、各人が自国では王の顧問的な立場であって、彼らをヘロデ王やエルサレム市民は軽視はできなかった。

民数記24章17節はヤコブつまり古代のイスラエル人の中から国々に王権を行使する者が現れるという大昔の異邦人バラムの託宣を記す。一千年以上が過ぎ、ユダヤを訪れた占星術の学者たちの口から「ユダヤ人の王として生まれた方」という言葉を聴いた時、ユダヤの人々は一笑に付す訳にはいかなかった。

(注)別エントリー「試論:『王であるキリスト』を140文字以内で」も参照のこと。
http://josephology.me/app-def/S-102/wordpress/archives/8518