試論:「女性特有の出血と義人」を140文字以内で

マタイ1章19節は主の養父ヨセフを義人と呼び、エゼキエル18章6節では義人の条件の一つに生理中の女性に近づかないと挙げる。女性特有の心身の辛さに配慮し、女性に余分な負担を加えぬよう自分を律することができる男性こそ義人である。女性を蔑まずリスペクトの対象にできる男性こそ義人である。

【追記】

古代のイスラエルでは、一度、神にささげられたと定まったものを後から人間が自分の都合で私物化する行為は、神に対する重大な罪とみなされた(サムエル上2章、15章等)。ヨセフは出産後のマリアを「知る」ことがなかった。処女懐胎時に妻は既に「聖別」されていると、彼が認識していたからである。

(注)別エントリー「聖母と聖ヨセフが終生童貞である理由」も参照のこと。
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カトリックで聖母を指す表現「天の門」は、聖書では創世記28章17節にのみ登場し、同節は主がおられた場所を「なんと畏れ多い場所」「天の門」と呼ぶ。主を宿した「胎」(ルカ11章27節)であるマリアを、同様に《なんと畏れ多い女性》と感じるのは、古代のイスラエル人の感覚として当然である。

マタイ1章19節は主の養父ヨセフを「正しい人(ディカイオス)」と表現する。25章の「最後の審判」におけるディカイオスは、隣人が何らかの助けを必要としている時に、必要とされている助けを提供して困り事を解決する人を指し、ヨセフはイエスとマリアが本当に必要としていることだけを実行した。

(注)別エントリー「試論:聖ヨセフの模範を140文字以内で」も参照のこと。
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(注)別エントリー「試論:マリアとヨセフに倣う事柄を140文字以内で」も参照のこと。
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古代においても助産婦(助産師)が出産に介在していたことは創世記38章や出エジプト記1章に記され、エゼキエル16章4節は古代の新生児処置を複数列挙するが、ルカ2章7節は主の御降誕に際し、布にくるみ寝かせたことだけを記して他の処置や助産婦の存在には言及せず、超自然的な出産を示唆する。

(注)別エントリー「主の御降誕に助産婦が介在しなかった意味とは」も参照のこと。
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マリアは処女のままで(ルカ1章34節)、神の御独り子を超自然的に妊娠(処女懐胎)したが、ルカ2章7節の「初めての子を産み、布にくるみ飼い葉桶に寝かせた」という記述から、助産婦の介在なしでマリア自身が神の御独り子を取り上げた超自然的な出産であった、と捉える方がむしろ蓋然性が大きい。

(注)別エントリー「予備的考察:聖母崇敬そして聖ヨセフ崇敬の起源とは」も参照のこと。
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主はマタイ6章33節で、まず神の国と神の義(ディカイオシュネー)を求めるよう教えられた。1章19節はヨセフを義人(ディカイオス)と呼ぶが、この語は神の義を体現する人を指す。相手が幼子や女性だからといって馬鹿にした態度を取る男性もいるが、その点、ヨセフに関しては心配する必要がない。

(注)別エントリー「聖ヨセフ:ディカイオスを旧約聖書で考察」も参照のこと。
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(注)別エントリー「試論:最後の審判とディカイオスを140文字以内で」も参照のこと。
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(注)別エントリー「試論:『ディカイオス』聖ヨセフを140文字以内で」も参照のこと。
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主はマタイ18章で幼子を軽んじてはならないと仰せになり、むしろ「無垢」という意味では幼子はリスペクトすべき存在であると教えられた。そして、幼子に悪事を教え込んで神から離れさせる者がいるとすれば、その者の罪は極めて重いと強調された。コロサイ3章21節も注意して子供に接するよう促す。

(注)別エントリー「試論:『幼子と天使』を140文字以内で」も参照のこと。
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