試論:聖母とテトス2章「恵み」を140文字以内で

受胎告知の際マリアは「恵まれた方」と呼ばれたが、テトス2章11節以下では「全ての人に救いをもたらす神の恵みは、不信心と現世的欲望を捨て思慮深く正しく信心深く生きるよう教え、また偉大な神であり救い主であるイエス・キリストの栄光の現れを待ち望むよう教えます」と神の恵みに関し説明する。

【追記】

ヨハネ1章17節は「恵みと真理はイエス・キリストを通して現れた」と記すが、二ペトロ1章は神からの恵み(2節)の内容を5節以下で、信仰に始まり徳・知識・自制・忍耐・信心・兄弟愛・愛に至るとして、恵みが加わるほど「情欲に染まったこの世の退廃」(4節)や怠惰(8節)から遠くなると記す。

(注)別エントリー「試論:『道・真理・命』を140文字以内で」も参照のこと。
http://josephology.me/app-def/S-102/wordpress/archives/11332

(注)別エントリー「試論:真理(まこと)の反対は?を140文字以内で」も参照のこと。
http://josephology.me/app-def/S-102/wordpress/archives/12668

(注)別エントリー「試論:『まこと(=真理)の神』を140文字以内で」も参照のこと。
http://josephology.me/app-def/S-102/wordpress/archives/8706

聖母は受胎告知の後も「主のはしため」(ルカ1章38節、48節)と自称するほど、へりくだりが第一の特徴であり、聖霊によって神の御独り子を宿される以上、《聖霊の結ぶ実》(ガラテヤ5章22節〜23節)である愛から節制に至る諸徳は、「おめでとう、恵まれた方」と呼ばれるまでに、備えていた。

神の霊つまり聖霊が人間に賜るものをガラテヤ5章は愛、喜び、平和、寛容、親切、善意、誠実、柔和、節制と説く。主はマタイ6章33節で「神の義」を求めよと仰せになり、同22章でそれを「礼服」にたとえられる。コロサイ3章では、着るべきものとは憐れみの心、慈愛、謙遜、柔和、寛容、愛と説く。

(注)別エントリー「試論:『礼服』の意味を140文字以内で」も参照のこと。
http://josephology.me/app-def/S-102/wordpress/archives/8008

受胎告知の際、マリアは「恵まれた方」(新共同訳)と呼ばれたが、「恵まれた」とは《〔神からの〕とめどもない好意を得た》の意味で、古代ギリシア語訳箴言を参照すると、この比類のない《好意》は、彼女の「へりくだり」(箴言3章34節)と「善のみの追求」(同11章27節)に対する恵みである。