試論:「理由なき憎しみ」の詩編を140文字以内で

詩編109編2節〜5節「彼らはわたしに対して悪い口、欺(あざむ)きの口を開き、偽りの舌で語りました。憎しみの言葉でわたしを囲み故なく責め立てました。わたしは愛したのに彼らは訴えました。しかしわたしは祈りました。彼らは悪をもってわたしの善に、憎しみをもってわたしの愛に報いました」。

(注)別エントリー「レビ記19章17節:理由のない悪意」も参照のこと。
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(注)別エントリー「隣人愛の反対は理由なき悪意そして憎しみ」も参照のこと。
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(注)別エントリー「試論:『善きサマリア人』の教訓を140文字以内で」も参照のこと。
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【追記】

主はヨハネ15章25節で「人々は理由もなくわたしを憎んだ」と「彼らの律法」旧約聖書を引用されたが、これは詩編109編2節から5節「神に逆らい欺く者の偽る舌がわたしに語る。憎しみの言葉がわたしを囲み、理由もなくわたしに挑み、わたしの愛と善意と祈りに悪意を返す」を要約した表現である。

レビ19章18節は「自分自身を愛するように隣人を愛する」という隣人愛を命じ、同章ではその隣人愛の対極にある様々な行為を禁じる。17節は「心の中で兄弟を憎んではならない」と悪意を秘めたまま隣人に接することを禁じて「出来心(ふざけただけ)」という言い訳も認めない(箴言26章19節)。

(注)別エントリー「試論:『理由のない憎しみ』を140文字以内で」も参照のこと。
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御受難前に主は、「理由のない憎しみ」(ヨハネ15章25節)に言及され、また人心荒廃が神殿の滅亡に先立つと予告された(マタイ24章10節、12節)。約四十年後に神殿は滅亡し、さらにその数十年後あるユダヤ教の高名なラビは、「理由のない憎しみ」の蔓延により神殿は滅亡したと、結論付けた。

(注)別エントリー「悪意の放棄なしに永遠の命を得る道はない」も参照のこと。
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主はマタイ24章10節と12節で、人心の荒廃が神殿の滅亡に先立つことを予告された。一方で一世紀ユダヤの歴史家ヨセフスは、紀元七〇年のエルサレム滅亡以前に暗殺や強盗殺人がユダヤの各地で頻発し、加害者が相手をローマの手先呼ばわりして自分たちの悪事を正当化していた事実を著作に記述した。

(注)別エントリー「『荒廃をもたらす憎むべきもの』とは何か」も参照のこと。
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(注)別エントリー「試論:ガリラヤのユダを140文字以内で」も参照のこと。
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(注)別エントリー「試論:古代ユダヤの社会不安を140文字以内で」も参照のこと。
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主はルカ17章で「一人は連れて行かれ、他の一人は残される」と繰り返され、21章24節では連行の状況を御説明された。ユダヤの歴史家ヨセフスは、紀元七〇年の滅亡の際にローマ市民権を持たぬユダヤ人投降者は妻子ごと奴隷とされ売り飛ばされたがローマ市民のユダヤ人は放免されたことを記述した。

(注)別エントリー「試論;連れて行かれるのはどこ?を140文字以内で」も参照のこと。
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(注)別エントリー「試論:『一人は連れて行かれ〜』を140文字以内で」も参照のこと。
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異教礼拝の蔓延に続く第一神殿滅亡とバビロン捕囚を教訓に、帰還後のユダヤ人は第二神殿を建設し最終的に異教礼拝と訣別した。しかし第二神殿も滅亡し次の神殿は建設の目処も立たない事態に直面してユダヤのある高名なラビは、理由のない悪意の蔓延が神殿を滅ぼし、それは異教礼拝より悪いと結論した。

(注)別エントリー「試論;『心の中で憎む』を140文字以内で」も参照のこと。
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(注)別エントリー「試論:『ソロモンの名声と堕落』を140文字以内で」も参照のこと。
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