1783年12月フランスの科学者シャルルは自作の水素ガス気球で高度約三千メートルまで到達後、自身の体験を聖書中の神秘体験にたとえる表現を用い、自分はそれを物理学的に擬似体験したのだと説明した。以後、逆に有人気球による「昇天体験」から聖書中の記述を考察し理解を試みる風潮が生まれた。
【追記】
1783年フランスで有人気球の飛行が成功した。神の領域である大空の侵犯だとして実験に慎重論を唱えた聖職者に対し、神の罰も恐ろしいことも起きなかったと人々は主張し、教会を時代遅れと見なし始め、神など存在せず物事の善悪に関しても教会の教えを御破算にして一から決めるべきだと考え始めた。
1783年フランスで有人気球の飛行実験が成功した。「昇天」とはキリストや聖母や諸聖人だけでなく誰もが体験可能であるという光景を人々は目撃し、実験に慎重論を唱えたカトリックの存在をフランス人は時代遅れの迷信と感じ始めた。こうして数年後のフランス革命における「大棄教」は準備を終えた。
(注)別エントリー「『携挙』:ギリシア語聖書本文で徹底検証【再投稿】」も参照のこと。
http://josephology.me/app-def/S-102/wordpress/archives/7753
1783年フランスで有人気球の飛行実験が成功した。神の領域である大空への侵犯として慎重論を唱えた聖職者に対して、神の罰も何の恐ろしいことも起きなかったと人々は主張し、教会は時代遅れの迷信と見なされるようになったが、約一〇年後、ギロチンは連日「革命の敵」とされた人々を斬首し続けた。
1783年の有人気球飛行実験以前、人類にとって高度数百メートルの上空は「大空」であった。しかし有人気球で人類がそこに到達すると気球に乗っている人間にとって、そこは大空というよりむしろ「空中」となった。こうして18世紀後半以降、科学技術の発達とともに「空中」の領域は著しく拡大した。
(注)別エントリー「試論:有人気球と『空中』の拡大を140文字以内で」も参照のこと。
http://josephology.me/app-def/S-102/wordpress/archives/10270
一テサロニケ4章17節の原文のギリシア語アエールは、大気を意味し下界を象徴する元素を指すが、英訳語エアーのニュアンスが18世紀後半の有人気球飛行成功の前後で変化し、大空や浮揚の意味が加わりこれを踏まえ19世紀前半に「携挙」が主張されたが、この主張は原文のギリシア語には合致しない。
一テサロニケ4章17節の原文で使われた古代のギリシア語「アエール」には「大気」の意味合いはあるが、現代人がイメージする「空中」のニュアンスはなく、現代人なら「空中」と呼ぶ領域に古代のヘブライ人が言及する際は「地と天の間」または「大空(ギリシア語訳でステレオーマ)」などと表現した。
(注)別エントリー「ヘブライ語聖書は『空中』とは表現しない」も参照のこと。
http://josephology.me/app-def/S-102/wordpress/archives/4223