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試論:「エチオピアの高官」を140文字以内で

使徒言行録8章で助祭フィリポによって洗礼を受けたエチオピアの高官はイザヤ書を朗読していたが、当時はユダヤ人かユダヤ教に改宗していた異邦人でなければ旧約聖書の預言書を読むことなどあり得なかった。シェバの女王がソロモン王を訪問した後、古代のイスラエルの宗教もエチオピアに伝わっていた。

【追記】

イザヤ56章3節以下では異邦人や宦官もイスラエルの神の救いに与る日が来ると預言した。申命記23章は男性器に欠陥のある者が「主の会衆」に加わることはできないと定めたがイザヤは条件の緩和を預言し、それを受け使徒言行録の時代までにエチオピア人の宦官もエルサレムでの礼拝を認められていた。

主イエスはルカ11章29節以下で、ヨナの説教に悔い改めたニネベの人々と、ソロモンの知恵を聞くためにエルサレムを訪れたシェバの女王を引き合いに出されたが、この仰せには当然「あなたたち今の時代のイスラエル人は、ニネベの人々やシェバの女王にまさるものなのか」のニュアンスも含まれている。