試論:イサクの美点を140文字以内で

聖書においてアブラハム、イサク、ヤコブの三人の名前はよく並称されるが、父アブラハムや息子ヤコブに比べると、イサクには歴然とまさっている点があった。それは、多くの財産を持つ有力者であるにも関わらず複数の女性をわがものとすることなく、生涯リベカただ一人だけを愛し続けたという点だった。

(注)別エントリー「試論:『ヨセフと先祖の王たち』を140文字以内で」も参照のこと。
http://josephology.me/app-def/S-102/wordpress/archives/7598

【追記】

イサクにとって元来リベカは親族だが自分よりも一世代下で、イサク自身は中年の域に入っていたにも関わらず、主なる神の御意向に応じて遠路はるばる嫁いでくれた、若い女性だった。世の男性の中には、もっともらしい理由をつけては年下の妻を小馬鹿にする人もいるが、イサクは妻リベカを尊重し続けた。

(注)別エントリー「『マリアの処女懐胎は誤訳に基づく話』説は本当か」も参照のこと。
http://josephology.me/app-def/S-102/wordpress/archives/1524

(注)別エントリー「『処女懐胎は誤訳に基づく話』説は本当か」も参照のこと。
http://josephology.me/app-def/S-102/wordpress/archives/1551

創世記で、イスラエルの十二部族の始祖となったヤコブの十二人の息子は四人の女性から産まれたため、必然的に古代のイスラエル人の共通の母はヤコブの母リベカになる。リベカは「若い娘」の時分に父の従兄弟イサクと結婚したがイサクは既に四十歳だった。この年齢差を旧約の民は不自然と感じなかった。

(注)別エントリー「試論:ヨセフとマリアとの年齢差を140文字以内で」も参照のこと。
http://josephology.me/app-def/S-102/wordpress/archives/16205

リベカは「古代のイスラエル人の共通の母」として旧約時代の重要人物であるにも関わらず、創世記は彼女の死について記述を残していない。息子たちの和解の後にもイサクは登場するがリベカの姿はない。一世紀後半のユダヤの歴史家ヨセフスはイサクの死を記した箇所で彼が妻に先立たれていたことを記す。