ペトロは第一の手紙の冒頭で「離散して仮住まい」の人々に挨拶する。新約聖書で離散を意味するギリシア語は、ステファノ殉教後に信者たちがユダヤを追われて各地に追い散らされたことを意味する。主イエスのエルサレム滅亡の予告に従い信者の多くはユダヤへ戻らず各地で「からし種」の役割を果たした。
(注)別エントリー「試論:聖パウロの職業を140文字以内で」も参照のこと。
http://josephology.me/app-def/S-102/wordpress/archives/5146
(注)別エントリー「試論:テモテの割礼を140文字以内で」も参照のこと。
http://josephology.me/app-def/S-102/wordpress/archives/5097
【追記】
主の御降誕の四十数年前カエサルはエジプト遠征で政敵ポンペイウスの勢力を打倒したが、かつてポンペイウスが聖所に侵入したことを恨んでいたユダヤ人の多くはカエサルに協力した。カエサルはユダヤ人に、エフェソを含む諸都市で安息日等の慣習を堅持したまま不利なく市民生活を送れる権利を確約した。
ローマの将軍ポンペイウスは神殿で大祭司しか入れぬ場所(レビ16章)に入り、ユダヤに衝撃が走った。ポンペイウスをカエサルが打倒し彼はユダヤ人に気前よく諸権利を与えたが、エジプトの女王を愛人としたことも含めて同胞から王様気取りだと疑われ、暗殺された。彼の死をユダヤ人は非常に悲しんだ。
紀元前63年ユダヤの内乱に介入して勝利したローマの将軍ポンペイウスは、エルサレムの神殿で大祭司しか入れない場所にまで入り、当時の異邦人には謎だったユダヤの神殿の実態が初めて知れ渡った。聖所に神像や神体の類は存在せず、机・純金の器・燭台・香料などがあった(出エジプト記25章以下)。