クリスマスと同時期にユダヤ教ではハヌカの祭を祝うが、これはヨハネ福音書10章22節に神殿奉献記念祭として書かれており、アンティオコス・エピファネスがエルサレム神殿の祭壇に「荒廃をもたらす憎むべきもの」を築いて汚した三年後、ユダヤ人が神殿を清めてから新たに奉献した、記念の祭である。
(注)別エントリー「旧約聖書の預言書を研究する際の基本原則」も参照のこと。
http://josephology.me/app-def/S-102/wordpress/archives/3859
【追記】
19世紀前半の作家エドガー・アラン・ポーは、紀元前二世紀のシリア王アンティオコス四世エピファネスを題材にした、「エピマネス(狂人)」という作品を書いたが、その冒頭には「アンティオコス・エピファネスは、一般的に預言者エゼキエルのいうところのゴグと見なされている」などと記されている。
(注)別エントリー「予備的考察:いわゆる『エゼキエル戦争』」も参照のこと。
http://josephology.me/app-def/S-102/wordpress/archives/4584
旧約聖書の「メシェク」はアッシリアでは「ムシュキ」と呼ばれ、アッシリアの記録に「ムシュキの王ミタ」とある人物は古代ギリシア側の「フリギアの王ミダス」に対応する。マカバイ記二5章22節ではフリギア出身の人物がアンティオコス・エピファネスに任命され、エルサレムで暴虐の限りを尽くした。
マカバイ記二5章24節以下には、同じくアンティオコス・エピファネスに任命された「ムシア人」が、大軍を率いてエルサレムに現われ大量虐殺を行なったことが、書かれている。このムシアは、ミュシア・ミシアとも表記されるアナトリア西部の地方で、かつては最盛期のムシュキの領土の西端に該当した。